インタビュー

手を挙げ、行動し、失敗をも武器に―サツドラHD社長 富山浩樹さん

今回お話を伺ったのはサツドラホールディングス株式会社 代表取締役社長の富山浩樹さん。

富山さんは若くて有名な会社の社長だから、ということで取材させて頂いたのではなく、読者のみなさんに伝えたい、すごく面白い方なんです。

社長としての仕事について少しお話を伺ったあとは、これからの世の中がどう変わっていくのか、私たちはどう生き抜けていけば良いのか。

大人も若者も、勇気がもらえるインタビューです。

社会にインパクトを与えることが会社であり仕事

―― 普段、富山さんはどのような仕事をされているのですか?

仕事の種類はたくさんあります。新しくできた北海道くらし百貨店はもちろんのこと、サツドラを進化させていく、サツドラに新しい機能をつけていくといったようなことも。最近では新しいテクノロジーの会社もはじめました。たくさんのプロジェクトを同時並行で進めていますが、それが自分のスタイルで、やるべきことだと思っています。

―― 1日の過ごし方が気になります!

それ、いろんな人に聞かれるんですけど(笑)その日によって違います。でも総じて人と会って話すことが多いですね。社内でも社外でも。

―― お休みってあるんですか?

ありますよ、大丈夫! 日曜日は休むことが多いですね。でも、繋がってる部分が多いです。あそびながら仕事、仕事しながらあそぶといった感じで、境界線は引いてません。

―― 富山さんにとって仕事とはなんですか?

仕事とは、社会に良い影響を与えるということです。ぼく自身もメンバーもワクワクすることで社会にいい影響を与えていきたいですね。でもただ楽しいだけじゃダメで、ビジネスや事業、経営にしていくプロセスを経なければ仕事とは言えないと思います。

今の世の中は人類のターニングポイント

―― いまの私たち世代を見ていて思うことはありますか。

学生さんをみていると、親や先生、周りにいる大人たちによる既成概念に捉われている人が多いように思います。例えば、この会社は続いていくだろうか、安定しているだろうか、この業界はこうだ。そんな枠に捉われているんじゃないかなと思っていて。

―― 枠ってどうやったら取り払うことができるのでしょうか。

世の中の事象に疑問を持つことが大事です。周りと違うからといって不安になる必要はまったくなくて、むしろ「違う」という事はすごいアドバンテージになると思うんです。今はいい時代で、団塊の世代はみんなが同じ価値観と行動パターンだということで経済や会社が成長していきました。そんな中で自分だけが違う考えを持つというのはハードルが高かったと思います。

―― 確かに人と違うことを怖がる人は多いですよね。

いまは人類のターニングポイントじゃないかと思っていて。去年衝撃を受けた「サピエンス全史」という本があるんですけど、ホモサピエンスが生き残ったのは認知革命があったから、と言われているんです。ホモサピエンスは事象に対してストーリーをつくるんです。例えばそれまでのネアンデルタール人とかは、ライオンが来たら逃げろ!となるんですけど、ホモサピエンスになるとライオンに神が宿っている、と考えるようになったんです。現象に物語を作れるようになったということです。人類の発明でもっとも大きなものはお金、国、宗教と言われていますが、これって全部空想からできたものですよね。

会社なんてものも、法人だとか法人格とか、法に人格をつくったものです。人間がどういう物語を信じて、自分がどこに行きたいかというグループを決めて行動しているはずなんですよ。

―― その考え方だと、今まで一般的に言われてきた「世の中の安定」とかもその時代の人類がつくったストーリーということですね。

いまは国家や貨幣という概念も崩れ始めているんです。歴史を遡ると、物々交換で世の中は成り立っていたわけじゃないですか。もともと物の価値や信頼を資本にする道具としてお金があったはずなのに、みんなお金に執着している。これからの時代はお金より信用がモノを言うようになりますよ。

お金より、信頼を貯める時代

―― 今後はどのような形で信頼をはかるようになるのでしょうか。

信用の交換はデジタル化できるようになっていきます。たとえばシェア自転車で有名になった中国発のモバイクという会社があるんですけど、シェア自転車もQRコードでカギを開けてGPSで位置情報が分かって、どこでも乗り捨てていけるというサービスを開発したんです。そのサービスがすごい伸びていたんですけど、みんなルール外の所にも自転車を乗り捨ててしまって街が自転車だらけになるという問題も起きたんです。でも、GPSや決済認証で、個人がどのような使い方をしているかが可視化されるようになったので、そのような問題もどんどんなくなってきました。悪質な使い方をした人は単純に信用ポイントが下がるんです。そしてそのサービスが使えなくなる。お金があっても何もできなくなるんです。それが他のサービスにも波及していくでしょう。そんな風に今はお金をためるより、信用を貯める時代だと思います。実際にメルカリなども相互評価で成り立ってます。それが現実世界にもっと広がっていくという事です。この様な情報や感覚は皆さんの上の世代の方は持ちづらいでしょう。

―― 既成概念で固められたものがどんどん崩れていくんですね。

だから前置きが長くなっちゃいましたけど、周りの人たちに言われたことだけを信じて悩むのは、せっかくこれから社会にでるのにもったいないですよ。

お金より、一般的に言われている安定より、時間などの価値のほうがずっと大事です。どういう時間を過ごすのか、その中でどんな信頼や武器をつくれるのか。その瞬間を楽しめるかどうかも重要ですね。そういう価値観で動ける時代になったということです。

手を挙げて、行動し、武器をつくる

―― どういう人が今の世の中で生き残ることができますか?

自分で行動できる人、手を挙げて動ける人です。変な既成概念で行動を躊躇しないべきです。それは大人も一緒で。大人はリスクなんかじゃないこともリスクと思う傾向が若者より強いと思います。新しい価値観を認めるということは、過去の自分を否定することになりますからね。こんなこと言ったら失礼かもしれませんが、本当はなんのリスクもないはずなんですけど……(笑)。

―― とは言っても、どこから始めたらいいかわからない人はどうしたらいいのでしょう。

考える前にはじめる、ということです。行動したら、武器ができます。失敗したことも武器になるんです。考えることを始めると、人間はリスクばかり考えます。絶対にネガティブな思考に走ってしまうんです。それはすごい無駄な作業じゃないですか。想定していることは、実は行動しなければ分からないことばかりなんですよ。そうは言っても何も考えずにゼロスタートという訳にはいかないと思いますので(笑) 社内では7割主義と言ってます。ただ動こうということです。

―― 富山さん自身、実感としてあるのですか?

ぼくも今たまたま社長ですけど、サラリーマンだった時代もあります。能力が高いとはまったく思ってなくて。だからやったもん勝ちだと思っています(笑)。でも唯一の自慢は、社会人になってから手を挙げつづけたことなんです。全然実力がないくせにやるから数えきれないほど失敗して、けちょんけちょんに怒られて帰ってくる、みたいなことばかりでした。でも「こういうところが足りないからやらせることができないんだ」と親切な人は教えてくれたりしました。手を挙げると、こんな風に何かが起こるんですよ。それを経ていまのぼくが在ります。

人類のターニングポイント、みなさんはこのチャンスをどう生かしますか?

(撮影:渡邊和樹)

Tags社長
Share:
マコ