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数十年を費やしサグラダファミリアを実測!?ガウディ研究家―田中裕也先生

世界遺産であるサグラダファミリア。スペイン・バルセロナにあるサグラダファミリアは未完の教会として今もなお研究されつづけています。なんとその研究の最先端にいるのは日本人なのだとか。

今回お話を伺ったのは、ガウディ研究家・建築家である田中裕也先生です。
バルセロナに40年以上在住している田中先生。貴重な来日に合わせてお話を伺うことができました。

偉人の言霊vol.1にて

11月22日に豊平館で行われたイベント「偉人の言霊」に参加し、田中先生のお話を伺ってきました。

田中先生はガウディ研究家として、サグラダファミリアを何十年もかけて実測した人物です。なんとガウディの建築物をサグラダファミリア、グエル公園はじめ全て実測図面や設計図におとしたと言います。ガウディは建築許可を求めるための申請図以外ほとんど図面を残さなかったことから、田中先生は大変貴重な業績を残している方と言えるのです。

田中先生の生き方に迫る

マカラボでは田中先生の生き方や働き方にフォーカスしてインタビューしてきました。

―― そもそも20歳の時から建築の勉強をするために海外に行ったとのことですが、いつから興味を持たれたのですか?

9歳のころに兄がプラモデルをお土産にもってきてくれたんです。自分の手で組み立てるものだったのですが、これが建築の世界だよ、と伝えられました。私は美術だとか絵を描いたりすることは苦手だったけれど、ものをつくることは大好きだったんですよね。その一心で、で建築科を志しました。そうしたらもう頭の中は建築だけになってしまって。他の世界はみることができなくなってしまいました。

―― 建物から建築の世界に入ったのわけではないのですね!

とにかくつくることが好きでした。本当にその世界だけなんです。それだけでずっと建築を志しました。とにかく好きなんです。

スペインに渡ったその日に全財産を失う

―― スペインに自分も渡ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

もう、ただガウディの建築を研究したいと。結局日本にいたら、自分のやりたい建築はできないと、大阪の事務所にいたときに感じたんですよね。もう違うと思ったら、この世界以外は合わないんだなと思いましたね。不安はありました。はじめてスペインに行ったときは、英語もできないしスペイン語もできませんでした。そして大阪で3年間働いて貯めた100万円だけを握りしめて行ったんですけど、その日に全部盗まれちゃったんですよね!あの当時で100万円だから、アパートが3棟くらい買えました!(笑)それで、3年間好きな研究ができると思ったんですけどね……。

―― そんなことがあったのですね。自分だったら絶望して途方に暮れてしまいそうです。

でもその日、絶対取り返そうと思ったんですよね。それはお金を、ではなく、経験を。ガウディを絶対に研究してやる!と決意を新たにしましたね。それが冒険のはじまりでした。そのときに、その人の対応の仕方が問われると思います。私はそこから絶対に取り戻すぞ!って。でもそれがなかったら3年で日本に戻ってきたかもしれません。だから人生の投資になったと思っています。

―― 盗まれたその日、すぐに立ち直ることができたんですか?

はい、すぐに立ち直りましたね!(笑) それはその人の個性ですよ。でも、すべて物事をポジティブに考えることは大切ですよね。そのときに、自分は何を思ってバルセロナまで行ったのかという話ですよ。何事も、目的さえ見極めていたら曲がることはありません。

自分だけの方程式をつくる

―― 目的というものを見つけられない人が多いと思うのですが、そのような人はどうしたらいいのでしょうか。

カルチャーショックを自分でみつけて、自分で追いかけてみる。そうすると自分の世界がみえてくると思いますよ。自信というのは、一歩踏み込むと、新しい世界がぱっと見えてくるものなんです。その、見えた時がチャンスだと思いますよ。逃しちゃいけません。それが起爆剤になるんです。例えば、みんな嫌だということでも興味を持たないことだとしても、自分が好奇心を持つか持たないかで決まります。

―― 最後に読者に伝えたいメッセージをお願いします。

人間はどこかできっかけが必要です。それは人から与えられたものじゃなくて、自分でみつけにいく他ないのです。自分でチャレンジしていくことでしか道は拓けないんですよ。私は自分の方程式を作りなさい、とよく話しています。数学と同じように、人生も同じで。自分なりの方程式を作って人生を歩んでいくことが大切なのではないでしょうか。

協力:合同会社 阿麻禰 Amane
撮影、写真提供:合同会社 阿麻禰 Amane

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マコ