
採用活動の最中、ふと、こんなことを思いました。
「人事って、仕事への向き合い方によってタイプがわかれるなぁ……」
人事・採用界隈に携わって10年以上、これまで様々な人事の方にお会いしてきました。
今回は人事という仕事について感じたことを僕なりの解釈で分類してみました。
(※ここでの人事の定義は就活生目線に合わせ、いわゆる「採用担当者」としています。)
人事の3タイプ
人事担当者は大きく3つのタイプに分かれるのではないかと考えました。
分類のポイントは
「今、人事という仕事にどう向き合っているのか」
です。
(1) アマ人事
人事に来たばかり、知識・技術ともまだまだという人。
おそらくキャリア形成の過程で人事にアサインされたのでしょう。
でも、おそらく人間性は評価されての抜擢。
まだ仕事自体をわかっていないのもあって、採用への熱量もさほどありません。
(2) プロ人事
キャリア形成の過程で人事が組み込まれており、仕事だから人事をやっている人。
幹部候補者は必ず人事を経由させる、というキャリアステップを組む企業も多いです。
「やるからには」というプロ意識が高く、成果(採用人数・大学実績等)に対して貪欲。
就活生目線というより、成果に忠実であるがゆえ、採るためなら何でもします。
目指すキャリアは幹部や店長などで、通過点として今は割り切って人事をやっているケースが多いです。
(3) ピュア人事
なった経緯はさておき、人事が天職だと感じており、人事が楽しくて仕方がない人。
キャリア形成の過程だったとしても、「もう店長とかいいんで、人事にいたいです!」と言っちゃうくらい人事の仕事が好き。
結果、人事のプロを目指している人。
就活生への思い入れも強く、ひとりひとりに真摯に向き合い、真剣にその人の未来創りを考えている。
以上です。
今どんなスタンスで採用に臨んでいるかは、どういうプロセスで人事になったか、今後のキャリアをどう考えているかによって違うかと思います。
ただ、ひとつ言えるのは、
「ピュア人事は正直あまりいないなぁ」ということです。
「変動要素」はリスクが高い
今回この記事を書こうと思った理由の一つ。
それは、就職先を最終的に決めるときに「誰と」という軸で選ぶ人が多いということです。
決め手が「変動要素」なのはとてもリスクが高いと考えます。
「変動要素」とは、職場環境や条件、人など、会社の状況によって変わってしまうものをいいます。
変動要素で就職先を決めるとどうなるか、例を考えましょう。
⇒ 会社の業績が下がれば、給与が下がる・休みが減る可能性がある。
⇒ 入社時は地元勤務でも、業績好調で事業を拡大すれば、全国展開(転勤)はあり得る。
⇒ その人が上司になるわけじゃない。仮に上司でもその人がいつ辞めるかわからない。
自分が何をしたいか・どうなりたいか、といった「自身のビジョン軸」であればいいですが、環境や条件、先輩社員など「会社・他者軸」で決めるとそれが変わってしまった瞬間に会社を辞める要因になり得るということです。
つまり、「人事担当者が素敵」を決め手にするのはリスクがあり、その人事が「ピュア人事」ならともかく(入社後も本気で寄り添って伴走してくれる為)、そうじゃない「職業人事(アマ・プロ)」の場合、採用実績をつくることが目的なので入社後にガラッと態度・対応が変わるなんてこともあります。
いかがでしたでしょうか。
次に人事に会った時に「この人、何人事かな」、なんてことを観察してみてください。
いずれにせよ、最後は自分で判断して結論を出し、後悔しない就活を!