
「まずは仕事にしちゃって、あとからどうやるか考えてます」
タイのバンコクを拠点に、日本人向けのプログラミングスクールを運営する染谷佳佑さん。
学生時代から数十もの起業を経験し、社会人になってからは、大企業勤務から個人事業主まであらゆる働き方も経験してきました。
彼が描くこれからの働き方はどのようなものなのか、そしてどうして異国の地・タイに辿り着いたのか。
染谷さんに実際にお話を伺う中で、ビジネスマンの大切なマインドを探っていきます。
起業家の同級生との出会い
10代の頃の染谷さんは、決して現在のように野心に溢れた青年ではありませんでした。
厳しい家庭環境で育ったせいか、当時はやりたいことをなかなか見出せず、悶々とした日々を過ごしていたそうです。
彼が起業家として目覚めたきっかけは、学生起業をしていた友人との出会いでした。
学生にも関わらず、とんでもない売上を叩き出す友人に感化され、「自分もやれるかもしれない!」とスイッチが入ったのです。
一度スイッチが入れば、それから勢い任せに大量行動を起こしていきます。
「やったことないことでも仕事を取って、後から脳みそから血が出るほど考えろ」
慕っていた起業家の言葉を胸に、イベントの集客代行・人材紹介・通信系の営業など、大小様々に数十もの事業を手がけていったのです。
「その頃は経営者の方に出会うたびに『何か困っていることはありませんか?』と聞いて回って、何でもかんでも事業にしていました」と染谷さん。
起業家としての根幹の精神は、学生の頃から盤石に作られていきました。
リクルートでMVP受賞、そして独立
大学卒業後は「営業スキルを磨きたい」と、リクルートに入社しました。
当時は1日数100件ものテレアポをこなし、土日も返上して泥臭く働いていたそうです。
結果的に、入社1年半で社内の営業成績MVPを受賞することに。
決して営業センスがあるわけではありませんでしたが、大量行動の中でいち早く「型」を見つけてトップに登りつめたのです。
しかし入社2年が経った頃、染谷さんはあっさりと会社を辞めてしまいます。
起業家精神がうずくのか、会社組織で働くことに窮屈さを感じての行動でした。
同世代フリーランサーとの出会い
会社を辞めた後は、数ヶ月間の整理期間を経て、フリーでウェブサイト運営を始めました。
まずは自分が自由に動くため、「自動化」できるビジネスの構築を目指したのです。
当時について染谷さんは、「貯金もないし、やることもなかったので、1日12〜14時間は作業してましたね」とサラりと言ってのけました。
話を聞くだけでも、動き出してさえしまえば、そのあとは怒涛の勢いでビジネスを前進させられていることが伝わってきます。
サイト運営は数ヶ月で成果が上がりはじめ、時間に余裕ができてからは、国内外に足を運ぶようになりました。
そんな生活の中、2017年夏にバンコクで現iSara運営メンバー3人と出会い意気投合します。
運営メンバーの一人である成田雄輝さんは、染谷さんと出会った瞬間から「この人とビジネスがしたい!」と考えたのだとか。
▼iSara運営メンバー4名。左から染谷さん、坂内さん、大滝さん、成田さん。
すぐさまiSaraは動き出し、9月には募集をかけ始め、10月には第1期の講座がスタート。
「まずは動こうと募集をかけたら、予想以上の問い合わせが来てびっくりしました。そこか
ら焦って資料を完成させた感じですね(笑)」と染谷さん。
このスピード感こそが彼らしさであり、起業家に欠かせないスキルなのかもしれません。
ノマドエンジニア講座iSara
先日、筆者ヤマモトも実際にノマドエンジニア講座iSaraに参加してきました。
iSaraはフリーランスエンジニアの輩出に特化している講座です。
プログラミングの基礎をゼロから指導することはなく、営業スキルやビジネススキルなど、より「稼ぐこと」に特化した講義を行っています。
私自身、プログラミングはほぼ初心者からのスタートでしたが、講座期間中に仕事を受注することができました。
染谷さんはじめ共同運営者の4人は、それぞれがフリーランスでマーケターやエンジニアの仕事に携わっています。
「これからの時代は、プロフェッショナルな個人が集まるチームが力が持つと思うんです」と染谷さん。
海外で活動するフリーランスの働き方を、運営メンバー自身が体現しながら指導してくれるので、生徒達は高いモチベーションを保って働き続けることができていました。
私自身が参加したiSara第2期は、2018年1月いっぱいで終了し、参加メンバーや講師陣もまた世界各国に解散していきました。
1人のフリーランサーとしてそれぞれが成長し、いずれチームとなって働くことが実現できるのかもしれません。
立ち止まったら宇宙を想像してみる
ノマドエンジニア講座iSaraは大好評につき、次回開催に向けてシステムの再構築を必死に考えているところだそうです。
絶大な期待の中で、やったこともない新たな講座のあり方をなかなか骨の折れそうな作業に思えます。
そこで「仕事のプレッシャーにどう向き合っているんですか?」と尋ねたところ、「立ち止まったら宇宙レベルで考えることにしてます」と教えてくれました。
曰く、宇宙規模で物事を考えると、自分の失敗がバカバカしく思えるのだとか。
失敗を恐れることなく、とにかく動き出してしまう。
そして、大量行動と思考の末に解決策を導き出していく。
起業家として活躍する染谷さん、そしてその周りに集まる同志たちに、未来の働き方が垣間見えました。
参考リンク:ノマドエンジニア養成講座 iSara
染谷佳佑さん Twitterアカウント:@keisukexlife