インタビュー

不登校から東大に!LGBTの働くを変える―JobRainbow代表 星賢人さん

「すべてのLGBTが自分らしく働ける職場に」

その強い思いで、LGBTの当事者に向けた仕事情報サイト「JobRainbow」、求人サイト「ichoose」の運営、さらには企業に向けた研修やコンサルティングも行う「株式会社JobRainbow」。

代表取締役社長は東京大学大学院特別研究生2年の星賢人さん(23)です。
星さんはどのようにこれまでの人生を歩み、会社を設立するまでに至ったのでしょうか。

ゲイであることが理解されず不登校になった中学時代

―― LGBTの問題に取り組もうと思ったきっかけを教えてください。

まず、自分自身がゲイであるということに気づいたのが中学生のときでした。私は男性として生まれたんですけど、好きになる人が男性で。教育も進んでいなかったので、自分がおかしい人なんだと思いました。テレビの情報だけを鵜呑みにして、自分もオカマとかオネエとか馬鹿にされると思って怖かったことを覚えています。実際に先生や友人からのいじめにあって、中学生で不登校になりました。全然勉強は身に入らなくて、自宅でオンラインゲームをしていました。でもそれに救われたんです。ちょうどgoogleで検索をしたときLGBTの情報に出会いました。当時は日本の人口の5%がLGBTだと言われていて「20人に1人なら、芸人だけじゃないじゃん!」と。自分は周りから言われて傷ついていたときだったので、世界は広かったと感じました。

就職活動も苦しい現状

―― 星さんも当事者でつらい思いをされたのですね。どのようにして今の活動にたどり着いたのですか?

高校生になってからは自分が今度は孤独に感じている人を救いたいと思うようになったのです。そして大学に進学しLGBTサークルの代表を務めました。既存のサークルだったのですが、そこでLGBTがぶつかる就職活動の実態に直面したのです。例えば、自分がLGBTサークルに所属しているということさえ隠さなければいけない現状がそこにはありました。面接の際、国際交流サークルに所属していたと嘘をつくこともあるんですよ。

―― 学生時代に頑張ったことすら正直に言えない環境だなんてつらいですね。

性的指向が少しでも違うといじめられたり受け入れてもらえないんじゃないかと思ってしまうのが大変なところです。「うちにはそんな人いません」と言われたり、ひどいところだと「帰っていいよ」と言われた方もいます。それがトラウマになって大学までやめてしまった先輩もいて。すごくもったいないことだと思ったし、自分には何もできなくて悔しかったです。

―― 星さん自身の就職活動はどうだったのですか?

ちょうど自分も就職活動をはじめる時期になったとき転機が起きました。たまたま知った外資系の会社にLGBTサークルに所属していた人がなんと10人もいたのです。そこでLGBTを公認している会社があることをはじめて知りました。情報が伝わるべきところに伝わっていないことが問題であると思いました。そこでポータルサイトをつくろうと考えたのです。それがいまの「JobRainbow」です。

情報発信からリアルな場づくりまで

―― ポータルサイトをはじめ会社を一からつくるというのは大変なことだと思います。どのような経緯で会社設立に至ったのですか?

ビジネスの構想自体はもともとあったのですが、リクルートでインターンシップをしていたときに新規事業を考える課題で実際にそれを実現化させようとチームで企画を立案しプロトタイプをつくりました。それをビジネスコンテストTRIGGERに出したら優勝することができたんです。その賞金などもあって、2016年1月に「株式会社JobRainbow」を立ち上げました。ポータルサイトはエンジニアやデザイナーとともに作っています。

―― 今後の「株式会社 JobRainbow」の構想について教えてください。

「株式会社JobRainbow」のミッションは「すべてのLGBTが自分らしく働ける職場に出会えること」です。最初は情報を伝えたい一心でしたが、現在は企業と学生が出会える場所をサイト上につくろうと考えています。「株式会社JobRainbow」はLGBTであるとかそういう括りも外して、ひとりひとり個々に向き合える社会を目指していきます。

逆境を乗り越え、今や現代社会に必要な取り組みの先頭を切っている星さん。
知的でやわらかな雰囲気、そして芯の強さを感じさせられる方でした。

LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」〜LGBT企業評価と口コミ〜

LGBT求人サイト「ichoose」

(写真:本人提供)

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マコ