インタビュー

日本でも芸術を身近に―「Music Lounge Brave+」代表 田中K助さん

ピアニスト、作編曲家、すすきのにあるバー「Music Lounge Brave+」代表と、3つの顔を持つ田中K助さん。マカラボでは、ミュージシャンをはじめとした文化人との対談記事を書いています。

田中さんの対談記事はこちら

日本だけにとどまらず、世界で活躍する文化人の声を若者たちに届けてくれる田中さん。田中さん自身が今後の音楽シーンに影響を大いに与えていくであろう文化人です。

「自分自身がミュージシャンとして、経営者として、さまざまな対談を通して『文化』というものに寄与していきたい」と話します。

田中さんが音楽で食べていくことを決め、実際にミュージシャンとして多岐に渡って活動するようになる経緯から、興味深い経済と文化のつながりまで。お話を聞いてきました。

いまの社会の仕組みでは音楽で稼げない

―― いまの働き方に至る経緯を教えてください。

「30代のはじめまでずっと会社勤めをしていました。高校時代までも違う職業にも興味はあったのですが音楽をやりたかったので、音楽の専門学校に行きました」

―― そのまま音楽関係の仕事に就いたのですか?

「いえ、なかなか就職という感じではなくて、海外で修業をしたりしていました。そこで海外の音楽をやっているお店に突撃してピアノを弾いたり。そのとき音楽でお金を稼げるんだ!ということに気づいたんですよね。その後帰国して、会社勤めをしていて同時並行で音楽を続けてもいたのですが、社会の仕組みの中にいるうちは音楽で稼げないと思いました。この仕組みからでなければいけないと思ったんです」

―― 社会の仕組みからどのように這い上がったのですか?

「音楽関係でつながっていた方に『面白い店がオープンするから、ピアノを弾かないか?』という誘いを受けました。すすきのにはたくさんのミュージシャンがいるのですが、今まで自分がやったことはありませんでした。だから最初は誰でもできる仕事からやったんです。トイレ掃除から、経理まで。ひたすら細かい仕事を毎日こなしていましたね。そうしたら、ひょんなことから自分が経営者を任されることになったのです。それが今ぼくが経営している「Music Lounge Brave+」です。今までがんばってきてよかったと思いました」

文化という土台のもとに経済は成り立つ

―― マカラボの「カルチャー」ではどのような記事を書いてくれるのでしょうか?

「ヨーロッパにいたとき『いいご飯を食べにいきましょうよ』というシーンが日常で普通にありました。そのあと『いい音楽を聴きましょう』という流れになるんです。マコさんはオペラをみたことはありますか? 」

―― ないです。音楽の授業で、映像くらいでしか……

「ヨーロッパの人はみんなみたことがあるんです。家族でいいご飯を食べて、いい音楽聞いたり、美術館に行ったりとか。社会的経済は本来、文化の上に成り立つものなんです。アジア諸国は経済の発展に傾向するあまり、カルチャーの発展をおざなりにしてきたように感じません? 」

―― たしかに、言われてみれば日本はその傾向が強いように思います。芸術に触れようとする家庭なんて一握りでしょうね。

「ぼくなんて、そんな金髪にして、まともな仕事じゃないですよね……と言われることもあって。実はミュージシャンなんです、というと決まって言われることがあります。『それって食べていくのが大変でしょ』と。でも、それ自体がおかしいんですよ。音楽っていうのは本来、神職と言われているものなんですよ。ヨーロッパには文化という土台があるから経済が成り立つという根源的な考え方があるんです。もっとアジア諸国だって芸術にお金を落としてもいいんじゃないかと、そのために行政や企業に働きかけてもいいと思ってるんですよね」

―― そういうのって私たち若い人たちから意識を変えていく必要がありますよね

「だから『マカラボ』では、文化人、芸術家、ぼくの周りで頑張っている北海道の人、全国の人、なんなら全世界の人と対談していこうと思っています。ぼくがミュージシャンとして経営者として、経済を支えていく文化というものにどのように寄与することができるか。対談していくことでその方たちと新たな答えがみつかっていけばいいと思います」

今回はピアニスト、作編曲家、バー経営者の顔を持つ田中K助さんにお話を伺ってきました。田中さんがマカラボで担当するインタビュー記事は日本と世界のカルチャーを知るきっかけとなります。芸術に触れると、私たちの心はもっと豊かになることでしょう。

(撮影:渡邊和樹)

Music Lounge Brave+
HP: https://ml-brave.com/
住所:札幌市中央区南5条西4丁目バッカスビル9F
アクセス:南北線「すすきの駅」から徒歩1分
TEL:011-252-9460
営業時間:Open 20:00~1:00
休日:日・祝
STAGE TIME:21:30 / 23:00 各30分程度
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マコ