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駅前の路上でチア!?日本中にHAPPYな驚きを―朝チア代表 朝妻久実

平日の通勤ラッシュ時、早朝にサラリーマンが出勤する時間帯を狙って新宿・新橋・池袋の路上でチアリーディングを行う女性たちがいます。

「全日本女子チア部☆」の代表である朝妻久実(通称:クミッチェル)さんは、フリーアナウンサーであり、番組MC、リポーターなども務める傍ら、朝チアで日本中を元気にしている女性。

公衆の面前で路上で応援チアをやると確実に浮くし、儲けがあるわけでもない……それでもなお、彼女がチアリーディングを続ける理由とは。

朝妻さんが「朝チア」にたどり着くまでの人生、その間に培った揺るぎないポジティブシンキングの起源に迫ります。

アナウンサーへの夢と挫折

名寄市生まれ、旭川市出身である朝妻さん。中学時代、新入生にインタビューする機会が偶然あり、先生に「アナウンサーに向いているんじゃないか」と言われたことがきっかけでアナウンサーを目指すことになります。しかしその当時は、現実味を帯びていなかったそうです。アナウンサーなんて雲の上の存在だと思っていたと朝妻さんは言います。

「大学進学とともに上京し、チアに出会いました。テンションが一番高かったのでMC担当に抜擢されて。チアのMCを通してみんな元気になってくれることに気づき、同時に中学の先生の言葉も思い出し、改めてアナウンサーになろうと就活を始めました。でも、全国の局に応募しまくったのですが全て落ちてしまったんですよね。結局、一般企業の就活を始め内定ももらいました。でもそこで『夢を諦めたくない!若いんだし冒険したっていいじゃないか!』と思い、内定を全て捨て、東京の地域FMでリポーターをしながらアルバイトをする生活がスタートしました」

その間もスクールに通い直し、アナウンサーになることを諦めずにオーディションも受け続けていたら、島根県の山陰中央テレビから合格の連絡が。

「オーディションに受かって夢が叶ったかと思いました。ただ、待っていたのは華やかなアナウンサーの仕事とは程遠くて。視聴者プレゼントの梱包やハガキ、メールの対応など、アナウンサーとしての仕事の現実を知りました。私は事務職が全くできなかったので本当に苦労しました」

契約満了後、「元局アナ」という看板を背負って東京に再び戻った朝妻さん。東京のオーディションも受かるだろうと楽観視していたものの、すべて落ち再び挫折を味わうことになります。

「自分はなんてダメなんだ、と自暴自棄に走り暗い時期を過ごしました。明るさが一番の取り柄なのに、それが消えてしまいました。人を羨んで殻に閉じこもる生活をしていました」

100人に無視されても、路上に立つ

そんなとき、知人に「あなたは、何がやりたいの?」と聞かれたといいます。

「そこで、大学時代にチアをやっていたことを思い出しました。学生時代がいちばん自分らしく輝いたことを思い出して。『チアがやりたい!』とその知人に伝えましたね。そこで友人を通して紹介してもらったのが朝チアでした」

朝チアは、挫折を味わった女性が当時ひとりで始めたものでした。朝妻さんが加わって2人体制になった朝チア。初代の女性が引退した後、朝妻さんがひとりで路上に立つ時代を経て、現在は最大5人で活動しています。

「チームのメンバーは何かしらの挫折を味わった人たちが多いです。仕事でやりたいことがあるのにできない、踏み出せない、でも変わりたい。そんな人たちが勇気を与える立場となってまわりに元気を送っているのです。私たちもチアによってポジティブを構築していっているんですよ。商売でやっているわけではないし、儲けがあるわけでもありません。『何の得があるの?』と言われることだってあります。でも誰かのためになるのが朝チアだと思っていて。100人に無視されたとしても、101人目の人が元気をもらえた、ありがとうと言ってもらえると報われたと思えます。それが続ける活力になっていますね」

元気の共有と応援の連鎖

朝妻さんの朝チアの活動は8年目を迎えました。この活動で得たものを一言で表すと「自信」だと言います。

「公衆の面前で路上で応援チアをやると確実に浮きます。でも、これをやっちゃうと『なんだって来い!』と、どんと構えられるようになりました。できないと諦めるのではなくできる方法を見つけようとするようになったし、一歩踏み出す勇気を自分自身がもらえるようになりました。元気を共有し、さらにその応援が連鎖していく。それが朝チアの魅力だと思っています」

普段も悩み相談を受けることが多いという朝妻さん。就活中の学生たち、転職で落ち込んでいる人たち。彼らは「朝チア観てから行きます!」と言ってくれるのだとか。

「私たちはHAPPYな驚きを与えたいと思っていて、自分たちを人間パワースポットと呼んでいます(笑)。個人応援といって、その人の名前を入れて応援チアをして最後ハイタッチして背中を見送ることもあるんですよ」

学生たちへのメッセージ

多くの挫折を乗り越え「朝チア」で自分らしく生きることを手に入れた朝妻さん。
ポジティブに生き抜くためのメッセージをいただきました。

「若いときは知らないことだらけです。失敗しても全然いいんです。失敗も経験ですから。制限をかけず飛び出してトライしたらいいと思います!その中で違う景色が見えたり自信がついていくことでしょう。経験がすべてだし、経験こそが宝ですよ」

朝妻さん自身、やってきたことを振り返って伝えたいことがあると言います。

「行動(朝チアに参加してみよう)+発信(アナウンサーになると言い続け努力を重ねていたら夢が実現した)+継続(朝チアを8年も続けられた)、これこそが自己実現に必要なことであると考えます。ポイントは、叶えたい夢があったら、なりたいではなく『なります!』と決意して行動を起こすことです。そうすると実現できるはずです」

今日も路上に立ち、街ゆく人々に朝から元気を共有している朝妻さん。10月10日には、一歩踏み出したいと勇気を持って決意を固めた新メンバーを迎え、新生全日本女子チア部☆として活動がスタートします。

「朝チア以外の『出張チア』にも力を入れ、全力で日本中を応援していく所存です!」と、朝妻さん。

東京の駅前、地方でも朝妻さんの元気な姿に日本中が励まされていくことでしょう。

写真提供:本人

【プロフィール】
朝妻久実(愛称:クミッチェル)
東京都在住。フリーアナウンサー、旭川観光大使、サラリーマン応援チアリーダー、元山陰中央テレビアナウンサー

現在、番組MC、リポーター、イベント・式典・プレス発表会・トークショーMC(橋本環奈・LiLico、博多華丸大吉、八嶋智人、杉本彩、太田雄貴ほか)、ラジオDJ、CM出演などを行う。

公式HP:http://www.asazuma.info/

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マコ