インタビュー

過去の自分は死んだも同然―今を生きるミュージシャンなかにしりく

ギター1本でどこへでも行くボヘミアン型シンガーソングライター、なかにしりくさん。

野球少年で学校の勉強も頑張ったけれど、小さなころから音楽を愛し、たくさん迷いながらも音楽で生きることを決めたというりくさん。

夢を追いかけながらも迷っている人、立ち止まってしまった人へのメッセージも込められたインタビューです。

音楽と野球に生きた少年時代

―― いつから音楽をはじめたのか教えてください。

もともと家にピアノとかギターがありました。小学校の先生が合唱曲をギターで伴奏していて、かっこいいなと憧れて。そんな要素があって小さい頃から音楽に慣れ親しんでいました。そのあとはずっと部活に入って野球をしていました。でもその合間にある、学校祭で歌ったりしていたんです。その頃からオリジナル曲をつくるのが好きでした。

―― 作曲って勝手にできるようになるものなんですか?

自然とできましたね。高校時代はMDレコーダーにマイクをつけて「修学旅行のうた」みたいなネタ歌を友達に聴かせていました(笑)。

―― 歌詞も素敵ですけど、文章を書くことも得意だったのでしょうか。

歌詞に関しては高校3年生のとき、全国科学学芸コンクールというものに提出してみたことがあって。そのコンクールの前に国語の先生に自分の書いた文章を出したら好評だったんです。そこではじめて自分の作品をはじめて大人に評価してもらえました。そこで、俺いけるんじゃない?と勘違いしたけれど(笑)歌詞を含めてよりオリジナル曲をつくるのが好きになりましたね。

2年の休学を経て向き合った今後の人生

―― 小さい頃から音楽を愛していたのですね。卒業後はどのような進路を選んだのですか。

まずは1年浪人していて、そのときあまりにギター弾いちゃうから、ギターの弦を切ったんです。そうして無事に大学に進学することができました。
それまで野球も音楽と同じくらい好きだったのですが、音楽をやりたい気持ちが大きくなりました。ちゃんと音楽をやりたいと思ったんです。

―― ギターの弦を切るなんて(笑) 。大学時代の音楽活動について教えてください。

大学3年生が終わって休学の道を選びました。普通に就職するということが考えられなくなってしまってて。休学しようと思ったきっかけは、当時やってたバンドをすごく好きでいてくれた人がいたんですよ。そこまではただ自分が好きだからやっていたんですけど、このまま自分が普通に就職していいの?と自分に問いかけました。休学して好きなだけやって見極めることができればいいと思いました。

休学中にはRISING SUN ROCK FESTIVALの一般枠で出演することもでき、いい経験になりました。

―― 2年間の休学を経て、心境の変化はありましたか。

よし、今回の人生で音楽をやってみるか、と決めました。復学したあとの最後の1年は勉強にも音楽にもさらに真面目に取り組むことができました。

今を生きる、という意味を込めて

―― 7月1日に発売となった2ndアルバム「にこん」にはどのような思いが込められているのでしょうか。

「にこん」とは禅のことばです。「而今」と書きます。「生命の絶対的真実は今にしかない」という意味で。それがボリビアにいく途中で読んだ本に書いてあったんです。純粋に、いい言葉だなぁと思いました。今を生きるって当たり前のテーマだけど、大切ですよね。過去の自分は死んだも同然、今を生きるしかない、と。「にこん」という響きもすきです。

―― CDジャケットも自分で撮ったとお聞きしました。

はい。ジャケットはボリビアで撮影した空です。ジャケットの中にもたくさん写真をちりばめているので是非手に取ってほしいです。ちなみにぼくのカメラはオリンパスなんですけどね。ニコン、ではなく……。

―― (笑)。今後はどのようなアーティストでありたいですか。

今までやってきた活動で築き上げた基盤は多少ありますが、10倍くらいにしなきゃいけないと思っていて。自分の音楽がより広く、深く、届けられるように作戦を立てていきたいです。ツアーでいろんなところに出向きます。もっともっといけるはずなので!一回もやったことがないのにできないっていうのは違いますよね。

―― 最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

結局、好きなことが最後に残ります。為せば成る、のです。いろいろ迷っていても、そのまま好きなことを続けていていいと思います。ぼくも迷ってたし、というか今も迷っているけれど、音楽をつづけています。

学生時代に音楽をやってた人は何百人もいたのに、今も音楽をやっている人はほんの一握りです。自分は好きだったから、今までやってこれました。だから、みんなも好きなことをやったらいいんじゃないかな。

(撮影:渡邊和樹)

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マコ