「自分は何をリレーバトンしたいのか?」 語りかけるように、叫ぶように、歌う

[撮影協力:森の間カフェ]
真っ直ぐな歌声に、真っ直ぐな瞳。シンガーソングライターの桜庭 和さんは音楽を軸に、さま ざまな活動を通じてメッセージを発信し続けています。彼を突き動かすものとは、そしてその 先に見えているものとは? 実に9回目となる道新ホールでのコンサートを控えた多忙な桜庭さ んに、お話を伺ってみました。するとその言葉の中には、“仕事”というものに対する概念を覆 されるような、大きなヒントも……!
–12月9日のSpecial Live2018【リレーバトン】は、既に完売だそうですね。

「ありがとうございます。非常にホットな時間になる予定で、既にセットリストや演出は決ま りました。あとはお客さんがこういう表情をしているであろうと想定しつつ、リハをしていく 段階ですね」

–お客さんの表情まで!?

「そのイメージは、すんっ……ごい、大事にしています。道新ホールはライブハウスっぽさも あって、お客さんとの距離が近いんですよ。でも縦長でコンサートホールとしての見せ方も ちゃんとできる会場なので、好きですね」 –桜庭さんのファンは年齢層が広いイメージがあります。 「ほんっとに広いんです。ベビーカーから90代まで。だからこそ椅子のある会場でってことは 常に意識していますね。あと、ご夫婦や恋人同士で来てくださる人も多いですよ」

–ファンに対する気遣いが、世代を越えて惹きつける理由かも。

「どうなんでしょうねぇ? でも、チケットを買って来てくださることを考えると、みなさんの 時間を預かっているという気持ちになるんです。だってライブって、こっちが指定してるわけ ですよ。何月何日の何時にここに来てください、と。お客さんは未来の時間にお金をかけてく ださるわけだから、そりゃたくさん笑ってもらいたいし、たくさん感動してもらいたい……お こがましいかもしれませんが。身も心も注いで、どの世代でも飽きさせない2時間を作っている つもりです」

–歌い方も、言葉がはっきりして届きやすいですしね。

「最近は特に、しゃべるように歌おうと思っているんです。究極、歌詞と音楽どちらが大切か と問われたら……究極、ですよ? 僕は歌詞が大切だと思っていて。伝えたい思いの延長が歌な んです。だからしゃべるように、語りかけるように、叫ぶように歌おう、と」

–伝えたい思いというのは?

「背中を押してくれる存在が音楽だと思ってるんですが、でも『明日はやってくるさ!』みた いな歌詞を書くつもりはないんです。むしろ『何もしなければ明日はこないよ』って思ってる んで。つまずくことも歌詞にするし、ケガをしたから気をつけよう、痛い思いをしたから気づ こう、という感じですね。当たり前は当たり前じゃないんだよってことはテーマにしていま す」

–歌詞に、自身のパーソナリティは反映されていますか?

「近年はそうかもしれない。人生に近いことをテーマにすることが多くなったかも。たとえば 今回のライブタイトル【リレーバトン】にしても、そう。自分ひとりでも今日から明日へリ レーバトンしながら生きていて、それを家族に広げてみればおじいちゃんおばあちゃんからお 父さんお母さんへと繋がっていって、さらに街を歩けば先人が拓いた場所を歩かせてもらっているんです。最終的には『じゃあ自分は何をリレーバトンしたいのか?』という問いかけでも あるわけです」

–観光大使をやられていることも、ある意味、リレーバトンですよね。

「美深生まれなので『美深町初代観光大使』と、今は江別市に住んでいるので『えべつ観光特 使』もやらせてもらっています。その関係で、確かに開拓史の話などを聞く機会も増えてます ね。他にも、千歳市で中学生と合唱したり、由仁町で子どもたちとコンサートしたり、役所の みなさんも絡んで、いろいろな活動をしています。会場では僕のCDと地元の野菜を並べて売っ てたりしてね、世代間交流も自然とでき、シティプロモートにもなり……そうやって広がって いくのはうれしいですね」

–これから先、やってみたいことは何ですか?

「フルオーケストラでライブをやりたい! 大御所の方がやるような。ソロシンガーって、弾き 語りからフルバンド、フルオーケストラまで、何でもできちゃうんですよ。僕の後ろに40人く らいいることを考えると、ワクワクしますよね。ソロだからこそ七変化できるので、自分の歌 の見せ方はいろいろ考えてるんです」

–では最後に、マカラボの読者に『仕事』という観点からメッセージをいただけますか?

「仕事とは、ケアすることだと僕は考えています。人は、自分ができないことをケアしてもら いながら生きているわけです。きれいになりたい時は美容師さんが手伝ってくれたり、言葉 じゃ足りない思いを花屋さんが束ねてくれたり。自分の命を使って他人をケアすることが仕事 で、喜んでもらえた時に恩恵が受けられる……それが大切なんだと思います。自分自身が世の 中に対して、何を以てケアしたいと考えるか? そこに職業という名前が付いているだけなんだ と思いますね」

桜庭 和(さくらば ひとし)

1981年北海道美深町生まれ、江別市育ち。2005年シングル『あなたに見せたくて』にてデ ビューを果たす。リリースのかたわら、数多くのTV-CMソングを提供、歌唱。シンガーソン グライターとして小学生との楽曲制作の授業や映画の挿入歌、イベントへの楽曲提供など、活 動は多岐にわたる。

来年2019年最初のライブは「弾き語り」から!
桜庭 和の部屋に招かれたような空間。 近い距離で吐息を感じながら聴く、弾き語りの時間。タイトル:桜庭 和 弾き語りライブ【Hitoshi in my room2019】

日時:2019年1月20日(日)

開場14:15/開演14:30

場所:札幌EDIT(札幌市中央区南2条6丁目 元東急ハンズ裏)

料金:チケット3,800円(当日4,800円)

※入場整理番号付き、自由席 ※12/9道新ホールで先行発売
※12/15 一般発売 ミュージックショップ音楽処(4プラ7F)で発売開始