インタビュー

【前編】自分らしく「働く」をデザインする―パラレルワーカー佐藤彰悟さん

北海道のパラレルワーカーとして働く佐藤彰悟さん。

本業ではブライダルベンチャー企業「グローヴエンターテイメント」人事、広報を担当。複業として、就活・キャリア・自分らしく働くを考えるコミュニティ「就カフェ」主宰、ブライダル専門学校の評価委員、本メディア「マカラボ」のライターでもあります。

佐藤さんが「副業」ではなく「複業」と表記する理由は後編で触れています

「パラレルワークはローカルの新しい働き方になると考えます。自分が実践している人として、その姿を見せていくことができれば」と、佐藤さん。

佐藤さんの本業と複業、パラレルワーカーとしての仕事観に迫ります。

大企業からベンチャー企業へ

佐藤さんは大学卒業後、北海道が地場のアミューズメント業界の会社に入社。現場を経験したのち広告宣伝、採用、警察への書類出しなど複数部署の課長を兼任、最終的には社長の秘書として13年間働きます。入社当初は100人もいなかった従業員が、辞める頃には800人を超える大企業に。35歳のとき従業員が20人のベンチャー企業に転職。36歳で現職の「グローヴエンターテイメント」に転職し、今に至ります。

――転職しようと思ったきっかけを教えてください。

「最初の会社では、最終的に社長の秘書をしていました。でも秘書以外の仕事ができなくて。35歳で秘書に落ち着くのってどうなんだろうと思いました。もっと成長したいと思ったし、ひとつの仕事にしばられず、新しい世界をみてみたいと思ったんです」

はじめは30歳で転職しようと考えていた佐藤さん。ある出来事がきっかけで踏みとどまりまることになります。

「違う会社の方々と関わる機会があって、ショックを受けたんです。それまでは新卒で入って、肩書も自然とあがっていきました。でも、外の会社の人たちと話す機会があって愕然としました。話題にまったくついていけなくて。そもそもビジネスマンとしてのレベルが低いという現実を突きつけられました。会社の中では通用したけど、社会人としてダメだったんですよね。今辞めても他の会社で活躍できるとは到底思えなかったので、市場価値のある人間になってから転職しようと決意して5年間を過ごしました」

――800人から20人の企業に転職して、環境はどのように変わりましたか?

「とにかく大変でした。何より今まで会社に守られていたことを感じました。大企業はルールが厳しくてつまらないと思っていたんです。でも、20人のベンチャー企業では、ルールのへったくれもなくて。例えば、社長が言っていたことが次の日に変わっても仕方がない、というような風潮でした」

海産物の販売やECサイトを運営するベンチャー企業で人事、広報という形で雇われた佐藤さん。「声が大きいから催事もできるんじゃない?」という社長の一声で、催事の初日に海産物の焼き方だけ教わって店長をやることに。今までに培った広告やマーケティングの知識を使ったら、社員全員が無理だと言っていた予算を達成しました。

「そうしたら『人事とかいいから、商品を売ってよ』と言われて、ダイレクトマーケティングという通販事業の責任者を任されたんです。でも結論からいうとできませんでした。『それくらい前の会社でやってきたでしょ』というレベルのものもできなくて。挫折しました」

でも採用では結果を出すことができたと言います。

「その時採用した人は今でも辞めていないんです。その結果を踏まえた時、自分は専門的に向いていることをやった方が成果が出るのではないかと初めて思いました。人事が自分の生業なのかなと」

ジェネラリストは通用しない

翌年、現職である「グローヴエンターテイメント」に転職した佐藤さん。最初はマーケティング部で採用されましたが、あまり結果を出せませんでした。さらに翌年、人事部に配属となります。

「転職するうえで、なんでもできる人は、なにもできない人として見られる傾向があります。いま自分で中途採用をしていて実感していることとしては、カラーがない人は採用しにくいんです。20代のときに『ミスター60点』と言われたことがあって。接客でも採用でも秘書でもそれなりに仕事はできるけど、ずば抜けなかったんです。20代の時はなんでもできることを誇りに思っていましたが、2回の転職を経てジェネラリストは通用しないことを知りました。手に職がないと生きていけないんです。自分にとっては人事と広報が本業における生業です」

▼2017年度卒の就活生に向けた合同説明会(本人提供)

人事としての実績は北海道でもトップクラスの佐藤さん。今年の内定承諾は現時点で「グローヴエンターテイメント」の新卒採用史上、最速であり最多です。

後編では、佐藤さんの複業、パラレルワーカーとしての仕事観に迫ります。

(撮影:渡邊和樹/撮影協力:グローヴ ウィズ アクアスタイル

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マコ