インタビュー

国内外を旅するブロガー「面白ハンター」山本哲さん

「楽しいこととかつらいことがあったら、文章を書きたくなりません?」

そんな風に話すのは、海外を放浪しながらブロガーとして活躍する山本哲さん(23)。
大学3年生のときに始めた個人ブログ「面白ハンター」は身体を張った記事からフリーランスとしての稼ぎ方、エッセイ調のものからライフスタイルの提言までさまざま。今月から本メディア「マカラボ」のライターでもあります。

▼タイのアユタヤ遺跡にて。記念撮影では象がポーズをとってくれるんだとか(本人提供)

仕事以外でも、毎朝2000字の日記や小説を書くという山本さん。趣味はゲストハウスめぐりだといいます。
大好きな「書く」×「旅」を組み合わせて働き、生きることを選んだ山本さんにお話を伺ってきました。

ブログで稼げるようになるまで

小学校の担任の先生がブロガーで、それを真似をして小学校5年生からブログをつくったという山本さん。そこから日記を綴るようなことを10年ほど続けていたといいます。

「本格的に大学3年生で個人ブログ『面白ハンター』を立ち上げました。最初は趣味でやっていたんですけど、大学4年生の時、ブログで収益をあげている同い年の学生に出会って。自分も稼げるようになりたいと思いました。最初は記事広告(企業や個人から依頼を受けて文章を書くこと)を自分の友人で実験しました。価格の設定方法もわからず、1本500円で売り出したら希望者が殺到して。最終的には1本8000円で価格を設定しました」

書くこと以外でも、ゲストハウス巡りが趣味だったそうです。

「ゲストハウスが好きで、オープニングスタッフもやりました。その経験もあってたくさんの大人と繋がることができたんです。毎週イベントがあったり、海外の人とも日常的に出会うことができたり。そこで出会った人たちにブログを読んでもらうこともできました」

山本さんが文章も編集もすべて自分で手がける「面白ハンター」は学生時代、15万PVを超えるメディアに。収益はブログだけで10万円にもなりました。

5ヶ月で退職、フリーランスに

もともとフリーランスとして働きたいと思っていましたが、新卒1年目は出版社で働くことを決めた山本さん。書く仕事は楽しかったものの、どうしても会社で働くということが合わなかったんだとか。

「ひとつの雑誌をつくるにあたって、沢山のやりとりがあるんです。学生のときもデザインを自分でやっていましたし、ライターとして働くのとブロガーとして働くのは違うと思いました。ブロガーとして自分の好きなように生きたいと考えたんです」

入社5ヶ月で退職、フリーランスで食べていくことを決意しました。

「『面白ハンター』での収益は月に10万円くらいだったので大変でした。でも会社をやめたときにいろんな人が声をかけてくれたんです。『ご飯はあるから、うちで記事書きな』みたいなこともありました」

会社を辞めたのが2016年8月。それから江別、士別、上砂川を1ヶ月ごとに巡り、食べさせてもらう代わりに町のPRをしていたんだとか。年明け早々日本一周を旅した後、海外を含めていろんなところに行きたいと考えました。2017年6月の時点ですでに7カ国をまわり、次はインドへ旅立つそうです。

▼上砂川にて。1ヶ月お世話になった方々を招いてお別れ会(本人提供)

フリーランスの長所と短所は表裏一体

フリーランスとして働くということについて一言でいうと「ひま」だと語る山本さん。その真相に迫りました。

「ブロガーはストックビジネスなので、ある一定までいくとブログが存在しているだけで収益になるんですよね。だから欲望がなくなるんです。時間と収入があると、何しよっかなぁ、が口癖になってしまって。今日もインドにどうやっていこうかなって考えて、2時間も考えたのに結局答えはでなくて……」

時間、量、場所を自分で決めて働くフリーランス。それが最大の魅力ではあるけれど、そこに時間かけてしまうデメリットもあるといいます。

「先月、留学してて生活リズムが完全に決められていたんです。楽だったし、効率的でした。そこで自分の生活リズムを決めなければいけないと反省しました。フリーランスは自己管理が大変だと思います。でも、旅と勉強することが大好きで。すべて好きなことが仕事になっているというのは、何にも代えがたいですね」

書くとは、歯磨きのようなもの

書くことを昇華させていき、自分の理想的な働き方を体現した山本さん。フリーランスとして生きていくのは自由ですが、孤独もついて回るものです。何が彼を突き動かすのか、聞いてみました。

「知らない世界を知りたい、彼女をつくりたい……とかはあるんですけど、結局のところ表現したいだけなんです。そこに意思とかはなくて。だって楽しいこととかつらいことがあったら文章を書きたくなるじゃないですか」

文章を書くことがライフスタイルそのものだと語る山本さん。常に「書かざるを得ない状況下」にいるんだとか。

「書かないと気持ち悪いんです。僕にとって書くとは、歯磨きのようなものです」

マカラボ読者にメッセージ

本メディア「マカラボ」のライターでもある山本さん。今後「マカラボ」ではどのような記事を書いてもらえるのでしょうか。

「自分の強みは、大学を卒業して期間を置かずにフリーランスになっているということです。若くてもフリーランスとして挑戦していけるということを伝えていきたいですね」

今回は海外を放浪しながらブログを書いて生活している山本さんにお話を聞いてきました。大胆な生き方と裏腹に、実は物静かな山本さん。書くということにストイックで、魂を込めて生きているように感じました。

▼カンボジアの世界遺産のひとつプレアヴィヒア寺院にて(本人提供)

(撮影:渡邊和樹)

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マコ