コラム

東京は住みにくい?東京ぐらしという名の、気ままな田舎ぐらしの提案

第十一夜 とかいのまものも、たまにはやすむ

東京、と聞くとイメージするのは、どんなところか。

ビル立ち並ぶ大都会。
24時間人がうごめき、ねむらない場所。
毎日がお祭り騒ぎで、気疲れしてしまうような……。
東京と検索して出てくる画像を見ると、わたしはそんな気もちになる。

わたしの働く渋谷はとくに、そのような景色がどこもかしこも広がっている。

分けいっても分けいっても、ビル。
こころの休まる場所はどこにあるんだろう? と途方にくれる。
都内で一人ぐらしをしようと決めたとき、迷ったのは「落ちつける場所はどこにあるのか」ということだった。

わたしが自分の住む家に求めることは4つ。

1、ひとりで静かにすごせること(ウジウジする時間がほしい)
2、都心にすぐにアクセスできること(仕事に行きやすい)
3、買いものがしやすいこと(できれば物価は安いほうがいい)
4、それなりに自然があって平和なこと(川でピクニックするようなゆとりのある町)

現実問題、家賃とかももちろんあるんだけど、とりあえずそれは他の県にくらべると比較しづらいので、とりあえず据えおいて。
都心でこれらのことを叶えるのに、わたしが最初に選んだのが「市」に住むことだった。

東京23区といわれるところは、アクセスも良ければ住む人も働く人も多い東京の中心地。
アクセスもいい代わりに、1と4はなかなか叶えづらい。
それを叶えるために選んだのが、東京26市に住むことだった。

市と名のつく場所に住むなら、京王線・小田急線・西武線・JRなどをつかうのがいい。

新宿、渋谷、池袋などの大都会を終点にもつ線路なので、急行を駆使すれば大抵のオフィス・学生街には一時間以内でアクセスできる。
(一時間も通勤に使うなんて信じられない! と他の県の出身の友人から言われたことがあるけれど、わたしにとって一時間はかなりちかい。なにより出発時間の計算がしやすい)

駅をでれば、スーパーや商店街が立ち並ぶロータリー。
そこから2分ほど歩くと、すぐ住宅街、もうすこし歩くと、川や畑が見えてくる。
東京で、畑? と思うかもしれない。
けど、あの有名な住みたい町、吉祥寺だって、5分ほど奥まったところまで歩けば、畑がたくさん並んでいる。

畑のある道には、たまに無人販売の野菜売り場がある。
道の駅にあるような、小さな屋根にあき缶の小銭入れボックス。人を信頼する仕組みを持ったお店。
映像制作会社勤務でそれほどお金のないわたしには、100円でどっさり買えるこのシステムがうれしい。

休みがたまたま友人とあったりすると、友人と川でお酒を飲みに行ったりする。
陽のある時はフリスビーをしたり、だらだらと恋愛話をしたり。
川に反射する光を見ていると、なんだか懐かしい気もちにもなる。

「下妻物語」(2004)風に言えば、

休みは川でのんびり三昧。飽きたら街でショッピング。
それも飽きたら、またまたお家でのんびり再開。
みたいな日常が、東京の「市」の生活にはあるのだ。

東京に転居しなきゃいけなくなることが、働いていたらあるだろう。
自分のパートナーが、急な引っ越しを提案してくることもあるかもしれない。
けれど、東京暮らしは思ったよりもケバケバしくないし、怖くない。

今日も、帰り道で川を見ながら家に帰ろう。
100円のミニトマトをぶらさげながら、静かで温かいわたしのお城に。

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皐月彩