
近年日本では、経済の停滞や人口減少が問題視されています。対象的に多くのアジア諸国は、勢いよく成長している最中です。
それに伴って、国内で中国や東南アジアからの旅行者を目にする機会も増えてきました。そんな様子からか「日本があっという間に追い抜かれる」という話を耳にすることもあります。
しかし、僕がアジア諸国を訪れて現地の声を聞くと、まだまだ日本は「憧れの国」なんだなと強く感じることがあるのです。そして、自分が当たり前のように日本に住めることをありがたく思います。
この記事では、僕が旅先で出会ってきた外国人たちから見た日本について考えます。
1、カザフスタンの大学生
先日、中央アジアのカザフスタンを訪れた際、現地の大学生の女の子と出会いました。
彼女は遠く離れた日本の文化全般に興味を持っていて、現地の「日本センター」で日本語を勉強しています。カザフスタンで日本人と会う機会はとても少ないので、僕にも興味を持ってくれたようです。
彼女は元々、「コードギアス」「けいおん!」といったアニメ作品から興味を持って、現在では食べ物・性格・歴史など、幅広く日本について勉強しているそうです。
僕が「北海道の稚内市っていうところの出身だよ!」と言うと、「ロシアが近いね!」と返答されたのには驚きました。日本人でも稚内の位置がわかる人は多くありませんからね…。
そんな彼女が綺麗な日本語でこぼした一言は、今でも僕の心の中に残っています。
「日本に行くことは私の夢です!」
カザフスタンから日本へは直行便はありません。乗り継ぎ便でも、片道5万以上費用がかかるでしょう。ましてや、二国間には収入や物価に大きな差があります。(カザフスタンの平均月収は8万円ほど)
日本が大好きでも、経済的な事情から訪れられない人が世界中にいます。まして彼女のように日本語がペラペラでも、日本に行ったことはない人もいるんです。
僕は彼女にこそ、インターネットや本では感じ取れない、生の日本を体感してほしいと思いました。
2、ネパールの観光ガイドさん
ネパールのカトマンズを訪ねた時、現地ガイドの男性に街を案内してもらいました。彼は日本語がペラペラで、数回日本に訪れた経験があるそうです。
元々は出稼ぎで日本にやってきたそうですが、街並みの美しさや人の優しさに惚れて、気付いたら住みたくて仕方がなくなったのだとか……。
しかしネパールの人は日本を訪ねるにあたって、短期滞在であってもビザの申請が必要ですし、長期滞在となると条件はかなり厳しくなります。
経済的条件ももちろんですが、VISA等の滞在条件も外国人にとっては容易なものではありません。住みたくても住めない人がいるような国に、自分は当たり前のように住めるわけです。
彼は日本が大好きということもあってか、所定のガイド以上に充実したサービスを提供してくれました。
現在、日本人の恋人がいるそうで「日本に住めたらいいね!」と声をかけてお別れしました。
3、フィリピンのスラム街に住む子どもたち
フィリピンのセブ島を訪ねた際、スラム街の子どもたちの居場所づくりとして、音楽教室を運営しているNPO法人を訪ねました。
フィリピンといえば、綺麗なビーチやリゾートホテルをイメージがあるかもしれませんが、現実的には貧困問題が蔓延する貧しい国です。ストリートチルドレンとして家計を支えなければならない子どもたちもたくさんいます。
僕が訪ねたNPO法人セブンスピリットは、以前クラウドファウンディングを中心に資金を募って、日本でのコンサートツアーを行いました。
その中で東京ディズニーランドにも皆で足を運んだようです。
https://twitter.com/NPO_7spirit/status/858920578077433856
動画から、子どもたちが憧れの日本を大いに楽しんでいることが手に取るように感じられます。本当にキラキラとした表情をしていますよね。
スラム街に住む子どもたちは、自分自身の生きがいを見つけることができず、ドラッグや犯罪に手を染めてしまうことが多いです。
しかし、日本に一度でも足を運ぶことができた子どもたちは、何を考えるでしょうか。
NPO職員の話を聞くと、子どもたちは日本を訪れたあと、「また日本に行きたい!」と意気込んで勉強に音楽により一層励むようになったそうです。つまり、日本を訪ねることを目指して努力することが、子どもたちの生きがいになっているのです。
フィリピンの子どもたちに限った話ではなく、「日本に行くこと」がモチベーションとなっている人は少なくありません。
憧れであり続けたい
国内で生活しているとなかなか気づきませんが、世界中に日本が好きな人、住みたい人、訪れたい人がいます。
自分たちがそんな「憧れの国」に住んでいるのだと思うと、見える世界や行動が少し変わるかもしれません。例えば、道に迷っている外国人を助けてあげる……とかね。
僕は旅をする中で、自分の国を好きでいてくれる人をがっかりさせないために、むしろもっと好きになってくれるように振舞いたいと日々考えています。
僕たちが外国の方を目の前にしたとき、誰しもが日本代表。これからもずっと「憧れの国」の素敵な人たちでありたいですね。