インタビュー

機関車のように突き進む―稲葉ゆいさんが人を惹きつけ愛される理由

「地域が小さくなっていくこととかコミュニティが薄くなっていくことが悲しくて、地域という単語を使ってビジネスにできないかと考えました」

そんな風に話すのは北海道教育大学函館校4年生の稲葉ゆいさん。稲葉さんは地方創生をテーマに掲げるブライダルベンチャー企業に来年の春から就職予定です。

稲葉さんの最大の魅力は「人に愛されるチカラ」。
純粋で、努力家で、まっすぐな稲葉さんとはどのような女性なのでしょうか?

双子の姉といつも比べていた

―― 稲葉さんはキラキラしていて、自信があるように思えます。昔からそうだったのですか?

「いや、自信なんてまったくなくて。中学時代は双子の姉と比べてよく落ち込んでいました。そのときから私は人と結果で比べる傾向があったんですよね」

―― お姉ちゃんはどういう人だったのですか?

「双子だったから、習い事も同じスタートラインなんです。だから努力や練習次第で結果に差が出ることに早い段階で気づいていました。でも勉強では最終的に自分が姉よりも結果をだせました。ここで衝撃的だったのが、姉はその事実に対して何も動じてなかったんです。それが悔しかったのもありますし、自分のちっぽけさを突きつけられました。姉はとてもおおらかで、人間味のある人です」

―― 稲葉さん自身変わった理由はどこにあったのでしょうか。

「高校ではひとつひとつの結果じゃなくて、いろんな物差しを持って考える大切さを知りました。私は音楽、姉は美術をやってきていたんですが、それは比較しきれないなと。それと同時に今までは自分より姉が優秀だと思っていたけれど、素直に私のことを好きでいてくれる人が増えて、相手を見ることができるようになったんですよね。決定的だったのは自分が大学1年生になったときで、姉は浪人しました。最後のひと踏ん張りができなかったといいます。そのとき『ゆいの最後まで頑張り通せるところを尊敬しているよ』と姉に言われたんです。もともと姉を尊敬していたので、そこでお互い尊重できる関係だったことに気づけたというか」

心の底から相手が嫌い!な人はいない

―― 稲葉さんは人をひきつけ、巻き込むことができる人だと感じています。人と関わる上で意識していることを教えてください。

「とにかく人が大好きなんですよね(笑)。人は、全部人からできてると思うんですよ。食べ物も、寝てるところも、人が関わっていないものはありません。絶対な自信を持って相手を信じぬくこと、自分にできないことはできないと周囲に伝えることを大事にしています。組織があったら、上も下もなく全員で補いあうものだと思うので!」

―― とにかく人が好きということが伝わってきました。逆に嫌いになることってあるんですか?

「ない……ですが、一緒にいてつらい人はいます。自分と向き合うことから逃げている人は、どうやって関わっていいか分からなくて。人の悪口言ったりする人は、声かけ次第でなんとでもなるんですけどね(笑)。でも、自分はこういう人間だからと割り切っている人や、そういった理由をつけて人と関わるのを放棄しようとしている人は見ていてつらくなります」

―― 悪口を言う人にはどのような声かけをしているのでしょうか。

「反復することが多いですね。『こういうのが嫌だった!』と言われたら『それが嫌だったんだね』と繰り返す。そういうやりとりを続けていくと、最後に相手が『だってこっちの方が双方にとって良いじゃん』という結論になることが本当に多くて。だからそこまで持っていきます。大体悪口に発展するときは期待が外れたときなんです。心の底から相手が嫌い!という人はそういないんですよ。そこに気づいてもらえたらと思います。あと中学生のときに父から言われた言葉があって。『相手の光をつかんで離すな』と。私にとって光とは、自分にとって相手の好きなところです。人は長所も短所もあるからこそ、その人らしさにつながると思うんです。父からもらった、ずっと大事にしている言葉です」

燃費が悪くとも、突き進む

―― 就職も決まって大学生活も残りわずかですが、卒業までどのように過ごしたいですか?

「遊びと勉強に集中したいです。いまは数学を勉強しているんですよ。昔は知っていたことだから、それを取り戻して社会に出たいと思います」

―― 数学を勉強しているんですか!?

「世界史とか国語も勉強しなおしています。国語は役に立ちますよ。よく言葉の使い方が変!って人に言われるんですけど、勉強していたらどうして変だったのか気づくことができました(笑)。昔は要領が悪いと言われるのが嫌いで。でも、今は嬉しいですね。効率よくとかそういうのが嫌いなのでコツコツ勉強しています。友達から蒸気機関車みたいだね、と言われたことがあります。燃費が悪いけど、がむしゃらにまっすぐ進む感じ!(笑)」

―― 社会にでたらどんな大人になりたいと思いますか。

「自分に正直でいたいですね。本当の自分の声を探して、しっかりそれにこたえていける自分でありたいと思います」

今回は稲葉ゆいさんにお話を聞いてきました。素直で、真面目で、努力を惜しまない、魅力あふれる女性でした。

(撮影:渡邊和樹)

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